介護という分野において、本当に必要な社会の実現というものは現時点で全く違うものであり、まだまだ程遠いものだと感じています。現在において利用者さまの生きる希望や共に生きることの権利を意図的に若しくは意図せずに、いつの間にか脅かしてしまっていることやそのことすらにも気づくことのできていない現状が続いております。実際に直面する心無い実態を目の当たりにしたとき、自分自身の無力さと不甲斐なさ、そして悔しさが心の奥底から溢れてきます。正直なところ憤りを越え、絶望感と喪失感でいっぱいです。もしも自分が利用者さまの立場だったらと考えると怖くて仕方ありません。だからといってこのまま放置することのできない状況をどうにかして打破できないか、また環境を変えることはできないかということを自問自答しました。そして、私にもできるであろう目の前のことをやってみようと決意しました。

先ず、利用者さまと楽しく過ごせるための方法をしっかりと考えることからはじめ、クルーも利用者さまも出来るだけ無理のない、そして嘘のない、ごく自然な日々を体感できるための環境づくりに着手することが大切だと思い努めようと考えました。
『すべてをさらけ出す利用者さまを決して侮辱することなく、弱みに付け込むことなく、常に人として感謝と尊敬の意をもって関ることのできる極々当たり前のことであるべき理想を現実に近づけたいと考えています。』
愚弄され嘲笑されても、唯々ひたすらに進めていきたいと思います。何故なら、昔の常識と呼ばれたものが今の常識ではないように、今ある常識がそのまま未来の常識とは限らないからです。先ずは一人からでも信じることが実現への第一歩だと思っています。
私は、そして私たちは素晴らしい未来を信じています。